2006年6月25日 (日)

13歳の夏に僕は生まれた

 重く胸に迫ってくる映画だ。

 この映画のタイトルはマリア・パーチェ・オッティエーリの原作「生まれたからには逃げも隠れもできない──埋もれた民族をめぐる旅」から取っている。

 裕福な家庭に育った13歳の少年、サンドロは父親のブルーノとその友達ポーピと3人でヨットで地中海クルージングに出かける。しかし,真夜中にサンドロは誤って海に転落してしまう。「パパ!」と叫ぶがヨットは遠ざかっていく。サンドロがいなくなったことに気がついた父ブルーノはあわててヨットを引き返すが見つからない。
 一方,サンドロは力が尽き果てた頃通りがかった不法移民の船に助け出される。悪徳業者に望みを託してイタリアに向かう密航者。そこにはクロアチア、クルド、アルバニア、モンテネグロ、インド、スリランカ、モロッコ、スーダン等様々な国籍の難民が乗っていた。その中の一人にルーマニア人の少年ラドゥと妹のアリーナがいた。サンドロはこれまでと違った世界で生きていかなくてはならない。
 一方、悪徳業者はイタリアに連れて行く,という約束を破ってイタリア近海で別のモーターボートで逃げてしまう。漂流する難民船。そこに会場巡視船が現れ、難民船は移民センターのある港に曳航される。サンドロは遭難したイタリア人であることを告げるが、ラドゥとアリーナの行方を見届ける為に彼らと一緒に移民センターに留まることを主張する。
 サンドロを迎えにきた両親に、この2人を助けてほしいと懇願する。そして・・・。

 見終わった後、何ともやりきれない重い現実を感ぜずにはいられなかった。まさに不条理なのだろう。この現実は。
 ラストカットまで、この話がどう結末を迎えるのか楽しみだった。しかしそれはまさに「これが現実だ」という投げかけで終わる。
 まさに現実はその通りだ。だから生きていくことが難しく、また、楽しいのかもしれない。
 僕も60歳を過ぎて生まれたのかもしれない。
  Bunkamura ル・シネマ2他で上映。

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